新婚釣行
小笠原に行ったのだ。
船で25時間半もかかる上に船は毎日出ているわけではないので、行くとなったら5泊6日は確実。
一応新婚旅行という名目で会社もがっつり休み、釣具もしっかり整え、大物がかかって竿が折れたらどうしよう、まぁそのときはしょうがないか、新婚旅行なんだから細かいことは気にしちゃいけねぇ、と心構えも万端で臨んだのだった。
6/8(火) 10時に竹芝発。
翌11時半、父島二見港着。
■1日目
天気はあまり良くないが、小雨がたまに降る程度で釣りには問題ない。
ホテルは港から少し離れた、扇浦という綺麗な砂浜の近く。
だが、綺麗な砂浜には全く興味が無い。
岩、磯、堤防。
潮流。
巨大魚はそういうところに潜んでいるのだ。
着いたその日に竿をしょって、砂浜を横目に近くの岩場に行った。
少しルアーを投げたがノーバイト。
海水の透明度が高いので小さい魚がたくさん見える。
なるほど、魚はいるようだ。
そこは水深もあまりないし、まぁ様子見ということで竿をしまった。
夜、スコールのような強い雨が降った。
■2日目
原付をレンタルし島内を一周した。
天気は曇り。
たまに晴れる。
山の天気は変わりやすい。
島の北側、釣浜という魅力的な名前の浜に行った。
道路から浜に降りるために少し急な山道を歩くのだが、前日の雨のため、足元がぬかるんで滑りやすい。
それがどうした。釣りには関係ないのだ。
大変だったけど。
で、釣浜。
いわゆるゴロタ場になっていて、浜の中ほどは水深があまりない。
左側からちょっとした岬のような場所に通じていて、その先端あたりは水深がありそうだった。
浜の正面は兄島。
浜と兄島の間が潮通しもよく、魚がたくさん釣れるらしい。
だから釣浜。
岬から遠投するか船で少し出れば大物が望めそうだ。
僕はルアー竿、しかもメバル用のかなりライトなタックルしか持っていなかったので、とりあえずジグヘッドにワームを付けて投げてみた。
しばらくして20cm強の魚が釣れた。
気持ちが悪い模様であったが、形は根魚っぽい。
その竿、ザルツの7.6ftで釣った初めての魚だったので喜びもひとしおだった。
まさか小笠原で入魂とは。
後に調べたら「カンモンハタ」という魚らしいが、とりあえず僕は「茶カルピス」と名付けたのだった。
その後、茶カルピスを2尾追釣。
30分で3尾と、まずまず楽しい釣りができた。
その後、二見港の青堤防で餌釣りをした。
餌は近くの釣具屋で買ったパックのオキアミ(生イキ君、という生意気な名前)、ムロアジを使った。
足元は8mくらいか。
少し投げると20m以上の水深がある。
そのときの僕の仕掛けはいわゆるフカセ用で、竿は磯竿1.5号5.3m、リールはシマノ3000番。
道糸3号にハリスは1.7号から2.5号。
小笠原にしては細いと思う。
まぁ無理っぽかったら釣具屋で仕掛けを買うか、近くで釣具のレンタルをたくさんやっていたから、それを借りても良いだろうと。
とりあえずオキアミを付けて足元から。
…餌取りの猛攻。
こりゃ駄目だ、と少し遠投。
撒き餌が無いので、遠投すると全く釣れる気がしない。
が、いきなり竿を持っていかれるようなアタリ!
完全に竿をのされ、やべ、と竿を立てたら道糸が高切れした。
うーん、、 きっと道糸に傷でも付いていたんだろう。
それからはアタリも無く。
嫁にはメバリング用の仕掛け(ザルツにバイオマスター1000S、ナイロン3lb)を持たせた。
一番小さいグレ針を付け、2Bのガン玉を打って落とし込みの要領で遊ばせた。
そしたら結構釣る。
15cmほどのスズメダイなどだが。
面白そうだけど、そんな小魚を釣りに小笠原に来たのではない。
■3日目
シュノーケリングをした。
釣りたいけども、新婚旅行だから仕方が無いのだ。
海の中には魚がいっぱい。
60cmほどのブダイが悠々と泳いでいる。
釣れてくれよ。と思った。
■4日目
最終日。
昼頃に1時間ほど青堤防で釣りをした。
向かい風が強くて釣り難い。
そして全く釣れない。
こうなったら意地を張っている場合ではない。
仕掛けをどんどん小さくしていき、最後に1尾、20cmちょっとのスズメダイを釣った。
何とかボウズを逃れたということで。
14時に出航。
翌15時半に竹芝着。
あんまり釣れなかったなぁ。