バイク迷走
竿ケースを背負ってバイクに乗れるものだろうか。
その実験もかねて、東扇島まで行ってみる事にした。
環七を下り15号に入る。
132に入って勇竿で青イソメを購入。
長いトンネルをくぐればそこは東京湾でも屈指の魚影を誇る東扇島なのだ。
環七に出てしまえば2回しか曲がらない。
簡単だ。
意気揚々、アブガルシアの竿ケースにメバリングロッドを入れ、それを肩にかけてバイクにまたがった。
どうやら走れない事はない。
走っている途中に肩から竿ケースがずり落ちる事はないか、あるいはスピードを出したときに風で煽られて危なくないか、それを実験しようと思ったのだ。
実験、と銘打つとなぜだか胸が高鳴る。
男はみんな実験好きだ。
さて結果はどう出るか。
環七に入り、スピードを出してみた。
うーん、やはり肩からずり落ちてくる。
腕の位置だとかケースの形とかの兼ね合いで、まったく落ちきるという事はないのだが、二の腕の辺りまでずれてくる。
信号待ちの度に背負い直さないとならない。
これは煩わしい、と考えた末、肩の部分にケースを固定する事にした。
ちょうど上着の肩の辺りにフードを留めるボタンがあり、それを利用すると竿ケースを肩に固定する事ができた。
これでずり落ちる事は無い。
あとは肩を中心に回転するのを防げば良い。
これは腰の辺りでケースを固定できれば良かろう。
つまり竿ケースを背負うというよりは、体に固定するというイメージだ。
こうすればバイクに竿を固定するより安全で簡単かもしれない。
ま、そんなこんなでバイクを走らせる。
そして案の定、大いに迷った。
僕は大体の場合で道に迷うのだ。
迷ってばかりの人生だ。
倍以上の距離を走って、ようやく釣りエサを購入、長いトンネルをくぐって東扇島に上陸だ。
大しけである。
一応竿を出してみたが釣りにならなかった。
早々に切り上げ、ゆで卵を食ってバイクにまたがった。
余った青イソメは豆腐の空パックに入れてラップ。
さらに発砲ケースに入れて外に出しておいた。